憲法小冊子
発行までのいきさつと新しい憲法小冊子発行まで
『憲法』は、私たちの毎日の生活の中で生きており、静かに暮らしを支えながら、「戦争をしない国・日本」の平和を守ってくれています。
憲法小冊子は、旧原町市時代の1971年(昭和46年)に始まりました。憲法を生活の中で大切にし、身近なものとして根づかせたいという思いを持った市民が集まり、「原町市憲法を守る会」が結成されたことがきっかけです。最初は少人数でしたが、活動を続ける中で共感する市民が少しずつ増え、運動の輪も広がっていきました。その中で、「憲法を生活の場で生かし、いつでも手に取って読める形にし、市民のよりどころとして活用できないか」という考えが生まれました。
会は行政との協力を求めて話し合いを重ね、その過程で、当時の原町市長であった山田貢氏から、次のような言葉が示されました。
「この憲法は、太平洋戦争で300万人もの日本人が犠牲になり、また周辺の国々にも計り知れない犠牲をもたらした末に生まれたものです。そして、平和や民主主義、主権在民がこの憲法によって支えられているからこそ、私の仕事も成り立っているのです。」
この言葉を受けて、「守る会」が求めていた憲法小冊子を、市が責任をもって市民全戸に配布することが決まりました。そして、市制25周年の記念事業として発行され、旧市内12,000戸に配布されました。
それから36年後の2007年8月15日(ポツダム宣言受諾の日)、憲法制定60周年を記念して、2005年に発足した「はらまち九条の会」が中心となり、鹿島九条の会、小高九条の会、相双教職員の九条の会と協力して、憲法小冊子の復刻版を3,000部発行しました。
「憲法をもう一度、私たちの生活の中で生かしていこう」。そんな思いで、復刻版の冊子を多くの人に届ける活動を続けてきました。また、若い世代にも直接手渡したいと考え、2008年1月から南相馬市の成人式会場で、事務局と会員が一緒になって、新成人一人ひとりに『憲法』小冊子復刻版を手渡す取り組みを始めました。この活動は2016年1月まで続けられました。
2011年3月11日に発生した東日本大震災と、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、南相馬市民は大きな困難に直面しました。長い避難生活を余儀なくされ、元の暮らしを取り戻そうと懸命に努力する中で、日本国憲法で保障されているはずの「安心して暮らせる生活」が、大きく揺らぐことになりました。
「今だからこそ、かつて山田市長が職務のよりどころとした『日本国憲法』を、もう一度みんなで読み直し、市民が本来持っている権利を取り戻すきっかけにしたい」。こうした声が、事務局や会員から自然と寄せられるようになりました。そこで、はらまち九条の会は、次の行動に踏み出しました。
会員である小川尚一議員の仲立ちにより、2015年2月16日、南相馬市議会の平田武議長(当時)に対して、憲法小冊子を再び発行し、市内全戸に配布してほしいという陳情書を提出しました。その後、市議会での審議を経て陳情は採択され、2016年5月1日、市内約23,000戸に憲法小冊子が配布されました。
これは、旧原町市から数えて45年ぶり、2回目の全戸配布となり、テレビや新聞など、多くの報道機関からも注目されました。冊子は、以前のものより少し大きくなり、色も赤から青へと変わり、文字も大きくして、より読みやすい形になりました。
さらに2017年の成人式からは、南相馬市が「憲法小冊子」を成人のお祝いの一つとして、直接配布してくださるようになりました。全国的にも珍しい取り組みだと思われます。こうした歩みは、市民運動として活動してきた多くの先輩方の努力と、世代を超えて受け継がれてきた思い、そして憲法と平和を大切に考えてきた市の姿勢があってこそ実現してきたものです。憲法小冊子は、時代が変わっても、その思いとともに発行され続けてきました。
発行までのいきさつと、新しい憲法小冊子ができるまで - 中高生向け -
日本国憲法は、私たちが安心して暮らすための決まりごとを定めています。そして、「戦争をしない国・日本」として平和を大切にする考え方の土台になっています。
この憲法小冊子は、旧原町市だった1971年(昭和46年)に生まれました。当時、憲法をもっと身近なものとして生活の中で生かしたいと考えた市民が集まり、「原町市憲法を守る会」という団体をつくりました。最初は少人数でしたが、活動を続けるうちに賛同する人が増えていきました。
会の人たちは、「憲法を本として持ち歩き、いつでも読めるようにすれば、市民一人ひとりが大切にできるのではないか」と考えました。そこで、市と協力して憲法小冊子を作ることを目指しました。
話し合いの中で、当時の原町市長・山田貢さんは、次のように語っています。
「日本国憲法は、太平洋戦争で多くの人が命を失った反省の上に生まれました。平和や民主主義、国民が主人公であるという考え方が、この憲法によって守られています。だからこそ、私の仕事も成り立っているのです。」
この考えにより、憲法小冊子は市の事業として発行され、市制25周年の記念として、旧市内約12,000戸すべてに配られました。
それから36年後の2007年8月15日、憲法がつくられて60年を迎えたことを記念し、2005年に発足した「はらまち九条の会」が中心となって、鹿島九条の会、小高九条の会、相双教職員の九条の会と協力し、憲法小冊子の復刻版を3,000部発行しました。
会では、「憲法をもう一度、私たちの生活の中で考えてほしい」という思いから、復刻版の小冊子を多くの人に届ける活動を行いました。その一つとして、2008年から南相馬市の成人式会場で、新成人一人ひとりに小冊子を直接手渡す取り組みも始めました。この活動は2016年まで続けられました。
2011年3月11日、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故が起こり、南相馬市は大きな被害を受けました。多くの人が避難生活を送り、これまで当たり前だった生活が大きく変わりました。その中で、憲法で保障されている「安心して暮らす権利」について、改めて考える必要があると感じる人が増えていきました。
「今こそ、日本国憲法をもう一度読み直し、市民が持っている権利について考えよう」。こうした声を受けて、はらまち九条の会は行動を起こしました。
2015年2月16日、会員である小川尚一市議会議員の協力を得て、南相馬市議会に対し、憲法小冊子を再び発行し、市内すべての家庭に配布してほしいという陳情を行いました。話し合いの結果、この陳情は市議会で採択され、2016年5月1日、市内約23,000戸に憲法小冊子が配布されました。
これは、旧原町市時代から数えて45年ぶり、2回目の全戸配布となりました。この取り組みは、テレビや新聞などでも取り上げられました。新しい小冊子は、以前より少し大きくなり、色も赤から青へと変わり、文字も大きくして、読みやすく工夫されています。
さらに2017年からは、南相馬市が成人式のお祝いの一つとして、憲法小冊子を直接配布するようになりました。全国的にもめずらしい取り組みです。こうした憲法小冊子の歩みは、多くの市民の思いと行動、そして憲法と平和を大切にしようとする気持ちによって続けられてきました。